【ゲーム制作】RPGのバランス調整【思考実験】
どうもこんばんは。おじょーです。
本日は、Dungeon of Phantomの製作時に行った実験?を通してRPGのバランス調整に関して考察してみます。
RPGやシミュレーションゲームを作っていて、バランス調整にお悩みのあなた向けのとてもニッチな記事です。
Dungeon of Phantomは制作期間が限られていたこともあり、かなりシンプルな作りになっています。
- 魔法などという概念はない。己の剣技のみで戦う。
- 存在するパラメータは、HP、攻撃、防御、命中、回避の5つのみ。
- アイテムは回復薬、能力値上昇薬4種のみ。
ですが、たったこれだけの要素で「○○は××で倒せ」というような弱点を突く要素を実現でき(たと自負し)ています。
第4階層から出現するHornetという敵キャラですが、Eva(回避率)の数値を89%という驚異的な数値に調整しました。
序盤の主人公の武器のHit(命中率)が70%、第4階層に着く頃でも85%程度に調整しているため、攻撃が絶対に当たらないという調整です。
「それじゃあどうやって倒すんだ」ということですが、ここで「Hit Potion」を使うことで、命中率が130〜150%程度に上昇し、差し引き40〜60%の確率で攻撃が当たるようになるわけです。
このようにして、命中と回避をうまく調整することで、「HornetはHit Potionで倒せ」という図式を作り出すことに成功したわけです。
同時に、「Hit Potionの数が尽きたら、いくら回復アイテムがあってもHornetは倒せなくなる」ということで、Hit Potionの残りの数というリソース管理の概念も発生します。
また、第8階層から出現するSkeletonというモンスターは、Def(防御力)を97ポイントに設定しています。
Skeletonと出会う頃の主人公のAtk(攻撃力)は良くて90程度であり、これまたダメージが通らないという状況になるわけです。
今度は「Atk Potion」を用いることで、攻撃力が150程度まで上昇し、Skeletonを一撃で倒せるようになります。
このように、少ない要素でもひと工夫することで、RPGの醍醐味である弱点を突く要素が実現できます。
ただ、これだけだと「HornetはHit Potionでしか倒せない」「SkeletonはAtk Potionでしか倒せない」ということになり、選択肢が狭いという問題もあります。
そこで例えば、以下のような攻撃魔法があったとしたらどうでしょう。
- MPを消費。攻撃、防御に関わらず30ダメージを与える。命中、回避に関係なく90%の確率で当たる。
このような魔法が存在することで、先ほどのHornetにもSkeletonにも攻撃を通すことができるようになります。
ただし、武器攻撃で40ダメージ以上を与えられるような状況ではあまり役に立たないため、どちらか一方だけが強いのではなく、「武器攻撃に弱い敵」も「魔法攻撃に弱い敵」もどちらも存在する、という状況を作り出すことができます。
このそれぞれ役に立つ状況が異なり、どちらにも有用性があるという調整ができると、ゲームとして面白い調整になります。
さらに色々やるなら、魔法に属性を持たせて弱点を突かせたり、キャラによって魔法の扱いがうまかったりそうでなかったりと個性をもたせたり、魔法に対して抵抗力のある敵を登場させたり、様々な手法が考えられます。
ですが、HP、攻撃、防御といった基本的なパラメータのあり方に立ち返ることで、より面白い相性関係を生み出すことができる……かもしれません。
(思ったより書くことなかった……続く、かもしれません)